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遺骨を自宅に置いたままの方へ|「決められない」時間が続いているとき
ご葬儀から何年も経つのに、お骨がまだ家にある。押し入れや仏間に置いたまま、どうするか決められずにいる——このご相談は、実はとても多くいただきます。「いけないことをしている」と感じておられる方が多いのですが、まずそこから解いておきたいと存じます。
自宅に置いておくことは、違法ではありません

「遺骨を家に置いたままにしていると法律違反になるのでは」と心配される方がいらっしゃいます。そうではありません。
墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)の第4条は、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」と定めています。
禁じられているのは、墓地以外の場所に埋めることです。骨壺のまま自宅に安置しておくことは、この「埋蔵」にはあたりません。
期限もありません。いつまでに納骨しなければならない、という法律は存在しません。一年でも十年でも、ご自宅に置いておくこと自体に問題はないのです。
ですから、決められずにいることを責める必要はありません。決められないのは、多くの場合、ご家族の中でまだ答えが出ていないからです。それは時間がかかって当然のことです。
それでも、いつかは決めておいたほうがよい理由

違法ではない。それでも、いつかは決めておいたほうがよい理由がいくつかあります。脅かすつもりではなく、実際に起きていることとしてお伝えいたします。
ご遺骨は湿気に弱い。
骨壺は密閉されていないことが多く、長く置いておくと内部に湿気がこもり、カビが生えることがあります。押し入れや納戸など、風の通らない場所は特に注意が必要です。見た目には分からなくても、中は湿っていることがあります。
保管している方が亡くなったあと。
これがいちばん多い問題です。お母様のお骨を守ってこられた方が亡くなり、残されたご家族が「このお骨をどうすればいいのか分からない」と困ってしまう。故人の名前も、どういう経緯で家にあるのかも分からないまま、次の世代に渡ってしまうことがあります。
引越し・住み替え・施設への入居。
家を離れるときに、ご遺骨の置き場所が決まらず動けなくなる。ご高齢の方の住み替えでは、実際によくある足止めの理由です。
つまり、決めないという選択は、いつか誰かが代わりに決めることになるということです。ご自分で決められるうちに決めておくことが、いちばんご家族のためになります。
「決める」の中身を、小さくしてみてください

決められない理由をうかがっていくと、「全部を決めなければならない」と思い込んでおられることが多くあります。そこを崩すと、話が進むことがあります。
全部を一度に決めなくて差し支えございません。
ご遺骨のすべてを散骨する必要はありません。一部だけを海にお還しして、残りは小さな骨壺で手元に置く。この形なら、「全部無くなってしまう」という抵抗感が和らぎます。
期限だけ決めるという手もあります。「来年の一周忌までに決める」と区切るだけで、話し合いが前に進むことがあります。決めるのは結論ではなく、決める日でも差し支えございません。
まず状態を見てもらうだけでも差し支えございません。長く保管されていたご遺骨は、湿気や異物を含んでいることがあり、散骨するにしても洗浄や乾燥の工程が必要になる場合があります。今どういう状態なのかを知るだけでも、次の判断がしやすくなります。
相談だけで終わっていただいて差し支えございません。お話をうかがったうえで「まだ決めなくていいと思います」とお伝えすることもあります。何年も気にかかっていたことを一度誰かに話す、それだけでも意味があることと存じます。
まとめ
– ご遺骨をご自宅に安置しておくことは墓埋法に違反せず、納骨の期限を定めた法律もございません
– ただし、湿気によるカビ、保管されていた方が亡くなったあとの混乱、住み替えの足止めは、実際に起きております
– すべてを一度に決めなくて差し支えございません。一部だけ散骨する、決める期限だけ決める、状態を見てもらう——小さく始めていただけます